相続した空き家をすぐに売却・解体しない場合でも、建物や敷地をそのまま放置するのはおすすめできません。
人が住まなくなった住宅は、換気や通水の機会が減り、湿気・カビ・設備の劣化、庭木や雑草、不法侵入などの問題が起こることがあります。
空き家を管理するときは、建物の状態や訪問できる頻度を確認し、自分や家族で管理する・管理会社へ依頼する・今後の処分方法を決めるなどの選択肢を比較することが重要です。
このページでは、相続した空き家を管理するときに確認したいこと、主な管理内容、管理会社を選ぶポイントまで順番に整理します。
このページでは、相続した空き家を売却するまでの流れと、売却前に確認したいポイントを順番に整理します。
このページの内容
管理を始める前に確認する3つのこと
1.建物と敷地の状態を確認する
最初に、現在の空き家がどのような状態なのか確認します。
雨漏り、屋根・外壁・窓、カビや湿気、庭木や雑草、家財・残置物、不法侵入の形跡など、分かる範囲で確認してください。
遠方に住んでいて自分で確認できない場合は、親族や空き家管理会社などへ写真付きの確認を依頼する方法もあります。
2.どのくらいの期間保有する予定か確認する
「半年だけ保有する」「数年後に家族が使う」「売却するかまだ決めていない」など、今後の予定によって必要な管理も変わります。
処分方法が決まっていない場合でも、半年後・1年後など、方針を見直す時期を決めておくことをおすすめします。
管理そのものを目的にして、何年も判断を先送りしないことが重要です。
3.誰が管理するか決める
自分、家族・親族、管理会社など、誰が現地を確認するのか決めます。
特に遠方に住んでいる場合は、移動時間や交通費も含めて、自分で管理する場合と委託する場合を比較してください。
空き家で行いたい主な管理
管理内容は物件によって異なりますが、代表的には次のようなものがあります。
| 管理項目 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 外観確認 | 屋根・外壁・窓・塀などの破損 |
| 室内確認 | 雨漏り・カビ・湿気・異臭 |
| 換気 | 窓を開けて室内の空気を入れ替える |
| 通水 | 水道が利用できる場合の配管状態確認など |
| 敷地確認 | 雑草・庭木・越境 |
| 防犯確認 | 鍵・窓・不法侵入の形跡 |
| 郵便物 | 郵便受けの確認・整理 |
| 写真記録 | 建物や敷地の変化を記録 |
建物の状態や設備によって必要な対応は異なります。
破損や雨漏りなどを発見した場合は、管理作業だけで終わらせず、必要に応じて建築・修繕の専門家へ相談してください。
自分で管理するか管理会社へ依頼するか
自分や家族で管理できれば管理委託費を抑えられますが、定期的な移動や点検が必要になります。
一方、空き家管理会社へ依頼すると費用は発生しますが、遠方の物件でも巡回や写真報告などを依頼できる場合があります。
| 自分・家族で管理 | 管理会社へ依頼 | |
|---|---|---|
| 費用 | 抑えやすい | 管理料金が必要 |
| 移動 | 自分で必要 | 基本的に不要 |
| 写真報告 | 自分で記録 | 対応する会社あり |
| 緊急時 | 自分で対応 | 対応範囲は会社による |
| 向いている人 | 近くに住んでいる | 遠方・時間が取れない |
価格だけでなく、管理内容と訪問頻度まで比較してください。
空き家管理にかかる費用
管理会社へ委託する場合の料金は、地域、建物、巡回頻度、作業内容などによって異なります。
基本料金だけではなく、草刈り、清掃、郵便物転送、緊急対応、室内確認などが追加料金になる場合があります。
そのため、料金を比較するときは、
「月額料金」だけではなく「その料金に何が含まれているか」
を確認してください。
自分で管理する場合も、交通費、清掃用品、庭木管理、修繕などの費用がかかるため、必ずしも「自分で管理=無料」ではありません。
放置する前に知っておきたいこと
空き家を適切に管理しないまま放置すると、建物の劣化だけでなく、倒壊、防犯、衛生、雑草や庭木の越境など、周囲へ影響する可能性があります。
2023年の空家法改正では、放置すれば「特定空家」になるおそれがある空き家について、**「管理不全空家」**として市区町村が指導・勧告できる仕組みが導入されました。
さらに、管理不全空家または特定空家として市区町村から勧告を受けた場合、その土地は固定資産税等の住宅用地特例の対象から外れることがあります。
ここは煽る必要はありません。
「管理しないと必ず固定資産税が上がる」という意味ではありません。
行政からの勧告など所定の条件が関係するため、通知等を受けた場合は自治体へ確認してください。
管理会社を選ぶポイント
空き家管理会社を比較するときは、料金だけで決めないようにします。
確認したいのは、巡回頻度、室内・屋外の確認範囲、写真報告、換気・通水、郵便物への対応、庭木・雑草への対応、緊急時の連絡方法、追加料金、契約・解約条件などです。
また、管理中に雨漏りや建物の破損が見つかった場合、
「発見したことを報告するだけなのか」「修繕会社などへの連携まで可能なのか」
も確認しておくとよいでしょう。
よくある質問
空き家はどのくらいの頻度で管理すればよいですか?
一律の頻度が決まっているわけではありません。建物の状態、季節、庭木、設備、地域などによって必要な頻度が異なります。管理会社へ依頼する場合は、巡回頻度だけでなく点検内容も確認してください。
遠方に住んでいても空き家を管理できますか?
親族などへ依頼するほか、空き家管理会社へ巡回や写真報告を依頼する方法があります。自分で移動する交通費や時間も含めて比較してください。
水道や電気は解約した方がよいですか?
今後の利用予定や管理方法によって異なります。通水や設備確認などで必要になる場合もあるため、一律に解約するのではなく、物件ごとに判断してください。
家財が残っていても管理できますか?
家財が残った状態でも管理できる場合があります。ただし、管理会社によって対応範囲が異なるため、契約前に確認してください。
管理を続けるか売却するか迷っています
今すぐ決める必要はありません。ただし、管理費や固定資産税などの保有コストは継続します。一定期間管理しながら、売却・賃貸・活用などを比較し、方針を見直す時期を決めておくとよいでしょう。
管理不全空家に指定されると必ず税金が上がりますか?
指定だけで直ちに住宅用地特例が外れるという説明は正確ではありません。管理不全空家について市区町村から勧告を受けた場合に、住宅用地特例の対象から外れる仕組みがあります。
空き家の管理について相談したい方へ
必要な管理内容は、空き家の所在地、建物の状態、今後の利用予定、自宅からの距離などによって異なります。
管理を長期間続けることだけを前提にせず、売却・活用など今後の選択肢も含めて整理してください。